1人の障害者に対し複数の機関が関わるケースがあると知った

厚労省「障害者トライアル雇用のご案内」に、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センター、就労移行支援事業所が連携したケースが載っていた。

地域障害者職業センター:知的障害の重度判定と職業指導

就業・生活支援センター:職場適応のための助言

就労移行支援事業所:障害特性の理解などの本人向け支援 

参考:厚労省「障害者トライアル雇用のご案内」

私は2021年8月から就労移行支援センターに勤務するが、このように1人の障害者に対し、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターなど他機関と連携するケースがあるのだと知った。

そのため、就労移行支援センターの役割はもちろん、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターについても知っておく必要がある。

地域障害者職業センター

障害者職業カウンセラー等を配置し、ハローワーク公共職業安定所)、障害者就業・生活支援センターとの密接な連携のもと、就職や職場定着、職場復帰を目指す障害のある方、障害者雇用を検討している或いは雇用している事業主の方、障害のある方の就労を支援する関係機関の方に対して、支援・サービスを提供している。

東京障害者職業センターについて

東京は上野と立川の2箇所ある。

上野:東京障害者職業センター

立川:東京障害者職業センター多摩支所

障害者職業カウンセラーとは?

職務内容を調べてみると下記の通りとなっていた。

【日本の障害者雇用の底上げ】のため、障害者雇用の分野で直接的・専門的な支援業務を行います。
障害者に対して、就職相談や職業能力等の評価、就職準備から職場適応に至るまで、個々の障害を踏まえた多様な支援を行いつつ、障害者雇用を進める企業に対して、障害者の雇用管理上の課題に応じた職務設計や社員研修等の体系的な支援を行います。加えて、関係機関や企業に対して支援技法の助言や普及も行う「職業リハビリテーションの専門家」です。
(心理学、教育学、社会学社会福祉学のほか、学部・学科を問わず多様な背景のある職員が在籍しています。)

もう少しざっくり簡単にすると...

  • 障害者に対して:就職相談、仕事能力の評価、就職準備支援、職場適応支援
  • 企業に対して:どうすればその障害者の方やその方と関わる周囲の社員がパフォーマンスが上がるかを考え、パフォーマンスが上がるような職場環境にするにはどうすればいいかのコンサルテーションや社員研修
  • 関係機関に対して:障害者にどのような支援を行えば良いかのコンサルテーション

といったところだろうか。

障害者職業カウンセラーになるためには?

33歳以下で大学卒業していることが要件になっている。

筆記試験をパスする必要がある。筆記試験の内容は、心理学、教育学、社会学社会福祉学に関する問題。

さらに就職後は1年間ガッツリとした研修がある。

  • 就職後の最初の1週間、基礎知識を習得するための全職種共通で実施する研修がある。
  • 最初の1年間は「障害者職業カウンセラー補」として機構本部での集合研修と地域障害者職業センターにおける実地講習を組み合わせた「厚生労働大臣指定講習(専門第一期研修)」がある   
  • その後は実践的な知識、技術等の習得のため、採用後3年次までOJTを実施している

参考:障害者職業カウンセラーの募集要項

こうして見てみると、障害者職業カウンセラーは、なるものも大変だし、なった後も大変ということがわかる。

障害者就業・生活支援センター

センター窓口での対応だけでなく、職場や家庭の訪問までやっている。

障害者に対して:就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習の斡旋)、就職活動の支援、職場定着支援、日常生活・地域生活に関する助言、生活習慣の形成・健康管理・金銭管理等の日常生活の自己管理に関する助言、住居・年金・余暇活動など地域生活・ 生活設計に関する助言

企業に対して:障害のある方それぞれの障害特性を踏まえた雇用管理についての事業所に対する助言

参考:厚労省「障害者就業・生活支援センターの概要」

今後関わる可能性がある機関

参考:厚労省「雇用と福祉のネットワーク」

この記事を書いてみて感じた疑問や感想

就労移行支援にくる人たちのうち、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターを並行して利用する人たちは何割ぐらいいるだろうか?

こちら(就労移行支援)から利用者に地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターを紹介することは今後あるだろうか?あるとすればどういうケースだろうか?

就労移行支援の業務内容で、地域障害者職業センターや障害者就業・生活支援センターと重複するところも結構ありそう。その場合、障害者の方が「あっちでは〇〇と言われたけど、こっちでは××と言われたが、どっちを信じればいいんだろう?」とならないようにする必要がある。